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本記事は、Shopifyが海外で公開した事例・機能解説をもとにした翻訳記事です。紹介する機能やサービスの一部は、現在日本ではご利用いただけません。日本での提供状況については、記事末尾の「日本市場での注意点」をご確認ください。
世界のB2B EC市場は、B2C(Business to Consumer)市場の5倍もの規模を誇り、今も成長を続けています。しかし、いざ参考にしようとB2BのECサイトを探してみても、デザインが古く、使い勝手の悪いサイトばかりが見つかり、がっかりしたことはないでしょうか。
この記事では、優れたB2B ECサイトの成功事例を紹介します。紹介するサイトには、顧客管理機能、役立つコンテンツ、商品の見つけやすさ、詳細な商品説明、カスタマイズされたストアデザインなど、B2B顧客に快適な購買体験を提供するためのさまざまな工夫が施されています。
また、多くのブランドは、D2C(Direct to Consumer、消費者向け直販)とB2Bを同じコマース基盤で運用し、顧客ごとに価格、支払い条件、注文ルールを設定しています。これらの事例から、自社のB2B ECサイトの構築や改善に役立つヒントが見つかるでしょう。
B2B ECサイトで成功するためのポイント
B2B ECサイトの顧客は、専門職の人々、小売業者、企業、各種団体など多岐にわたり、自社で使用する製品や複数ブランドの製品をまとめて購入します。取引相手は法人ですが、実際に購入を決定するのは人間です。だからこそ、B2Cサイトと同じように、使いやすくスムーズな購買体験の提供や、効果的なマーケティング戦略が不可欠なのです。
特に近年のB2B ECでは、セルフサービス型の注文体験が重要になっています。購入者が営業担当者を介さずに、自分で商品を探し、価格を確認して、注文から再注文まで完結できる仕組みです。そのためには、在庫、価格、注文履歴、顧客情報などを一元管理できるシステムが大きな強みとなります。
優れたB2B ECサイト事例
それでは、具体的にどのようなサイトがB2B顧客の心を掴んでいるのでしょうか。参考になる成功事例を紹介します。
1. SwagUp:数分で完了するカスタマイズとチェックアウト
SwagUpは、従業員や顧客、イベント参加者向けのオリジナルグッズ(スワッグ)を制作・販売する企業です。購入方法は、「カスタムパックの構築」「プリセットパックの選択」「個別商品のまとめ買い」の3通りから選べます。
商品をまとめて購入する場合、カテゴリーを選んで商品を閲覧し、色のオプションを確認してカートに追加するだけ。各商品の最低価格も一覧で分かりやすく表示され、多くの商品は25個から注文できます。
プリセットパックのページでは、「すでに最適な組み合わせをご用意しています」というメッセージで、顧客の手間を省けることをアピール。用途別にパックが整理されており、最小ロットやおおよその単価も明記されています。
ショッピングカート画面では、希望納期、数量、コメント、ロゴデータなどを簡単に追加できます。
SwagUpのサイトは、B2B営業チームの負担を減らしつつ、顧客に快適な購買体験を提供することに成功しています。
2. Syra Coffee:手軽なB2Bサブスクリプション
2015年にバルセロナで創業したSyra Coffeeは、スペイン国内に店舗を展開する人気のコーヒーショップです。実店舗だけでなくオンラインストアにも力を入れており、コーヒー豆や関連器具の販売、そしてオフィス向けのコーヒーサブスクリプションサービスを提供しています。
B2B顧客は、B2C向けに作られた詳細な商品ページで、コーヒーの産地や生産者、最適な淹れ方といった情報を確認できます。
オフィス向けサブスクリプションの申し込みページでは、オフィスの従業員数に応じた最適なプランを提案。ログインしなくても各プランの価格がすぐに分かり、明朗な料金体系になっています。
オンラインで商品をカートに追加し、手軽に注文できます。フォーム入力は最小限に、サービスのメリットは最大限に伝えることで、オフィス向けコーヒーという継続的な取引を手軽なものにしています。
3. Microfiber Wholesale:セルフサービス購入を促す豊富な情報量
Microfiber Wholesaleは、清掃のプロ向けにマイクロファイバー製品を販売しています。
送料無料やフリーダイヤルの案内、プロからのレビュー、お役立ち記事などが並ぶトップページは、まるでB2Cサイトのような充実ぶりです。
B2B取引では、購入前に電話やメールでの確認が頻繁に発生しがちですが、このサイトは顧客が必要とする情報をすべて提供し、意思決定までをサイト内で完結できるよう設計されています。
例えば、商品ページには色やサイズ、数量割引、商品番号、リアルタイムの在庫状況といった情報が「カートに追加」ボタンのすぐ近くに集約されています。
さらにページ下部には、素材、寸法、用途、推奨される清掃方法、メンテナンスに関する情報へのリンクなど、詳細な仕様を掲載。これにより、清掃業者だけでなく、同社から仕入れる販売代理店や小売業者も安心して購入できます。
豊富な動画や記事と詳細な商品ページで、Microfiber Wholesaleは顧客のセルフサービス体験を徹底的にサポートしています。
4. eFashion Paris:商品の見つけやすさを最優先
eFashion Parisは、パリの600のサプライヤーから商品を仕入れられるB2Bマーケットプレイスです。ファッションのプロを対象に、毎週数千点の新作アパレルを追加しています。
多くのB2Bサイト同様、価格や詳細情報の閲覧にはログインが必要ですが、eFashion Parisはログイン前の潜在顧客でも商品を探索しやすいよう工夫されています。
商品カテゴリーをクリックすると、ブランド、色、素材、特徴、スタイルといった多彩なフィルターが表示され、膨大な商品の絞り込みが可能です。
各商品ページには、1パックあたりの数量とサイズの内訳が明記されており、バイヤーは自社の品揃えや在庫計画を立てやすくなっています。
ログイン前に決済ボタンを押すと、ログインまたは新規登録を促すポップアップが表示され、スムーズに次のステップへ誘導します。
eFashionのサイトは、顧客のニーズを深く理解し、ビジネスに最適な商品を簡単に見つけられるように設計された好例です。
5. Branch:面倒なオフィス家具選びを快適に
Branchは、高品質なオフィス家具を法人向けに直接販売しています。同社の強みは、単に商品を売るだけでなく、スペースデザインから配送、専門業者による設置までをワンストップで提供している点です。
小規模なホームオフィスから100人以上の大規模オフィスまで、家具の選定は骨の折れる作業です。Branchは、その負担を軽減するための様々な工夫を凝らしています。
- アンケートに答えるだけで無料のスペースプランを作成
- 簡単な質問に答えるだけで最適な家具セットを提案するクイズ
- 導入プロセスに関するFAQを分かりやすく提示
商品ページには、カスタマイズの選択肢、機能的なメリット、豊富な商品画像、大口注文の案内、セット購入の提案、製品仕様、詳細なレビュー、そして過去の納入事例写真など、意思決定に必要な情報が満載です。
Branchは、顧客が必要とする情報と実践的なサポートをすぐに利用できる形で提供し、手間のかかるオフィス家具選びを快適な体験に変えています。
6. Amy Myers MD:B2CサイトをB2Bの情報源として活用
Amy Myers MDは、医師であり医学研究者でもあるエイミー・マイヤーズ博士が運営するウェルネスブランドで、サプリメントやスキンケア製品を販売しています。
このECサイトは主に一般消費者向けですが、B2B顧客にとっても重要な情報源として機能しています。
例えば、商品ページには、製品のメリット、成分、製造工程、使用方法が分かりやすくまとめられ、レビューや関連商品の提案も充実しています。FAQや製品動画、対応する症状のリストもあり、B2Bのバイヤーはこれらの情報を卸販売の参考にすることができます。
卸売プログラムの専用ページには、プログラムの詳細とFAQを掲載。栄養情報や成分、アレルギー表示といった詳細な製品仕様については、メインのB2Cサイトを参照するよう案内しています。これにより、B2Bバイヤーは一般顧客と同じ質の高い情報を得られます。
実際の仕入れは、専用の卸売ポータルから申請・ログインして行います。
Amy Myers MDのサイトは、記事、レシピ、ウェビナーといった豊富な教育コンテンツも魅力です。B2B顧客はこれらのコンテンツを活用し、自社のエンドユーザーへのサポートを充実させることができます。
7. Tiger Products:ビリヤード業者のためのセルフサービス型EC
Tiger Productsは、キューやシャフトなど、米国製の高品質なビリヤード製品を販売しています。このサイトも、ログインした顧客にのみ価格や購入情報を提供する、会員制B2Bサイトの一例です。
約10種類の商品カテゴリーは、さらに細かいサブカテゴリーに分かれており、目的の商品にたどり着きやすい構造です。カテゴリー内では絞り込み機能を利用できるため、顧客はニーズに合った製品を効率的に探せます。
商品ページでは、シャフトの種類や重さなど、数十パターンものバリエーションから選択可能。クローズアップ写真と詳細な仕様が、購入の判断をサポートします。
事業者は専用のディーラーポータルから卸売アカウントに登録・ログインすることで、いつでも商品を検索し、発注することができます。Tiger Productsは、強力なセルフサービスソリューションを提供することで、B2B顧客の利便性を高めています。
8. Primera:詳細な製品比較で最適な選択をサポート
Primeraは、カラーラベルプリンターなどの特殊プリンターを製造・販売する企業です。大学や医療機関、ワイナリーなど、多様な業界に顧客を持っています。
PrimeraのB2Bサイトは、ビジネス用途の購入に最適化された、情報密度の高い商品ページが特徴です。ページ上部には、製品概要、在庫状況、SKU番号、電圧の選択肢といった基本情報がまとめられています。
さらに下部には、仕様詳細、製品パンフレット、サポート情報、FAQ、顧客レビューといった詳細なセクションが続きます。高価で複雑なプリンターの購入は判断が難しいものですが、Primeraは1ページに必要な情報を集約し、顧客の不安を解消しています。
さらに、複数の商品を並べて比較できる「商品比較ページ」も用意。価格、機能、在庫状況などを一覧で比べることで、顧客は自社のニーズに最適な製品を確信を持って選ぶことができます。
9. Beauty Solutions:美容のプロを支える会員制EC
Beauty Solutionsは、美容のプロ向けに、ビジネスに必要な製品、ツール、教育プログラムを提供しています。米国内11の拠点でB2B顧客にサービスを展開しています。
美容のプロは、ブランド名や、ヘアカラー、エクステといった製品タイプから商品を検索できます。顧客評価、在庫状況、サイズなどで絞り込むことも可能です。
商品ページには、取り扱いのある拠点、在庫サイズ、現在の在庫数が表示され、計画的な仕入れをサポート。製品の特徴やメリット、関連商品も分かりやすく提示されます。
価格の表示と注文には、美容関連の専門資格を提示して取得するアカウントが必要です。アカウントを持つと、ウィッシュリストの作成、注文追跡、購入履歴の確認、複数の配送先住所の管理などが可能になります。
また、トレーニングセッションや製品デモ、発表会といったイベントの検索・予約もサイト上で簡単に行えます。
会員登録していない訪問者でも視聴できる、充実した教育ビデオのライブラリも、Beauty Solutionsの大きな魅力です。
10. PATCHBOX:専門的な製品を、シンプルに分かりやすく
PATCHBOXは、ITインフラ向けのケーブル管理システムを販売するブランドです。革新的なソリューションで、ネットワーク配線の新たなスタンダードを築くことを目指しています。
商品ページは、ITマネージャーなどの意思決定者に向けて、製品の利点を直接的かつ具体的に伝えています。専門的で技術的な内容ですが、ミニマルでクリーンなウェブサイトのデザインが、情報の理解を助けています。
ページには、導入前後の比較写真、製品動画、仕様、同梱物、説明書へのリンクなどが含まれており、顧客は必要な情報を素早く見つけることができます。
注文には、他の多くのB2Bコマースサイトと同様に、顧客アカウントの作成またはログインが必要です。また、特殊な用途や大量注文向けの見積もり依頼も簡単に行えます。
PATCHBOXのサイトは、購入の意思決定に必要な情報を過不足なく提供することに徹底的にこだわり、それを高いレベルで実現しています。
11. Morgan Sports:膨大な商品をスムーズに検索
Morgan Sportsは、ボクシングやフィットネス関連用品のサプライヤーで、オーストラリア国内の7,500以上の企業で同社の製品が販売・使用されています。
多くのB2B ECサイトと同様、卸売アカウントでログインしていない訪問者には価格を非表示にし、B2B顧客に最良の取引条件を保証しています。
Morgan Sportsのサイトが特に優れているのは、膨大な商品カテゴリーを簡単にナビゲートできる点です。顧客は数クリックで目的の製品にたどり着けます。
すべての商品ページで、商品説明、配送情報、返品ポリシー、保証内容をタブで切り替えて確認できます。これは、大きくて重いフィットネス機器を購入する際に特に便利な機能です。
卸売アカウントは、コーチ、ジム経営者、パーソナルトレーナー、小売業者などが対象です。アカウントが承認されると、即時注文や後払い決済オプションを利用できるようになります。
Morgan Sportsは、数十種類もの機器の取扱説明ガイドも提供しており、フィットネスのプロの仕事を多方面から支えています。
12. Dermalogica Pro:究極の教育・リソースハブ
Dermalogicaは、1986年にスキンセラピストによって設立されたプロ向けのスキンケアブランドです。一般消費者とプロのスキンセラピストの両方に製品を提供しています。
プロ向けの「Dermalogica Pro」サイトは、商品価格の確認や購入にログインが必要ですが、そのアプローチから学べる点は数多くあります。
サイト全体が、スキンケアのプロが求める情報にすぐアクセスできるよう設計されています。例えば、以下のようなリソースが用意されています。
- オンデマンドで学べる学習ライブラリと、オンライン・対面で参加できるワークショップ
- プロが使用する製品のファクトシート
- 顧客の予約や施術開始を支援する、プロ向けのデジタルプラットフォーム
さらに、消費者向けの商品ページにも、プロ向けのツールへのリンクが設置されています。例えば、肌診断クイズや、顧客の予約・施術管理を行うためのデジタルプラットフォームなどです。
特に注目したいのが、「The Book」と呼ばれる総合的な情報ライブラリです。スキンケアのプロは、このインタラクティブなコンテンツを通じて、製品情報、成分、施術プロトコル、肌の悩みに関する知識を深めることができます。
ECサイトの内部を見なくても、多くのスキンセラピストがDermalogicaから繰り返し購入する理由がよく分かります。
13. Kiara Sky:快適なブラウジングと便利な注文機能
Kiara Skyは、アクリルネイルやジェルネイル用品などを販売しています。ネイル、ヘア、美容のプロや卸売業者を対象に、事業者向けアカウントを提供しています。
トップページでは、新着商品、ベストセラー、主要な製品カテゴリーから商品を探し始めることができます。
各商品ページには、詳細な仕様、在庫状況、カラー選択肢、そしてGoogle Payなどの支払い方法が表示されます。「その他の支払いオプション」をクリックすると、Shop PayやPayPalも利用可能です。
このサイトの優れた点として、ウィッシュリスト機能、プロ向けの商品案内、そして販売代理店向けの問い合わせフォームが挙げられます。
14. Mokobara:市場に合わせて最適化されたB2B ECサイト
Mokobaraは、もともとスーツケースや旅行用バッグを扱うD2Cブランドとして成長し、その後B2B事業にも進出しました。Shopifyへの移行に伴い、卸売バイヤー向けにパスワードで保護された専用ポータルを開設し、顧客ごとに最適化された購買体験を提供しています。
このポータルでは、購入数量に応じた価格設定、顧客自身による注文・再注文、刻印や企業ロゴの追加といった商品のカスタマイズに対応しています。法人顧客は、営業担当者を介さずに、自社のニーズに合わせて注文を進めることができます。
さらに注目したいのは、主要市場であるインドとアラブ首長国連邦(UAE)向けに、それぞれ最適化されたECサイトを展開している点です。購入者の所在地に応じて、通貨、言語、支払い方法が切り替わります。こうした取り組みの結果、Mokobaraは売上を倍増させ、30%の成長と顧客維持率の前年比30%向上を実現しました。
15. Angelus Direct:手作業による受注から、B2B注文の一元管理へ
Angelus Directは、レザー用ペイントやスニーカーのカスタマイズ用品を扱うブランドです。かつて同社は、B2B注文におけるデータ管理の分断という課題を抱えていました。注文処理の多くを手作業に頼っており、需要予測や生産計画に必要な情報を十分に得られない状態だったのです。
CEOのTyler Angelos氏は、以前の受注プロセスについて次のように語っています。
「以前は、注文内容をメモ帳に書き留めたり、FAXやメールで届いた注文を手入力したりしていました。そのため、ミスが絶えませんでした。現在は卸売パートナーにShopifyのB2Bポータルから直接注文してもらっているため、注文のやり取りや手作業による処理でミスが発生することがなくなりました」
B2Bポータル上で注文履歴、在庫、生産データを一元管理できるようになったことで、同社はより効率的な生産体制を整えました。Angelos氏はさらに、次のように述べています。
「すべてのデータが連携しているため、生産マネージャーは数か月先まで自信を持って計画を立てられます。必要なものをリアルタイムで把握できるので、生産ロットが重複することもなくなりました」
16. Who Gives A Crap:社会貢献をB2Bで選ばれる理由に
Who Gives A Crapは、100%リサイクル素材または持続可能な方法で調達された素材を使ったトイレットペーパーなどを販売する、環境に配慮した日用品ブランドです。B Corp認証を取得しており、社会課題への貢献を事業の中心に据えています。
また、利益の半分を、安全な水や衛生設備へのアクセスを改善するためのプロジェクトに寄付しています。卸売ストアの商品説明でも、プラスチックを使用しない包装やB Corp認証など、サステナビリティに関する情報を明確に伝えています。
こうした取り組みは、B2Bの取引先選びにおいても重視されています。Bain & Companyの調査によると、B2Bバイヤーの半数は、持続可能性に配慮したサプライヤーとの取引を増やしています。この割合は、今後3年で約3分の2に達する可能性があるとされています。
B2Bでは、価格や納期だけでなく、企業の価値観や理念が一致しているかどうかも、取引先を選ぶ際の重要な基準になっています。Who Gives A Crapは、社会貢献への取り組みを自社の強みとして打ち出している好例です。
17. Tony’s Chocolonely:卸売を支える「ChocoPortal」
Tony’s Chocolonelyは、チョコレートのサプライチェーンにおける違法な労働慣行の問題をきっかけに生まれたブランドです。創業時は、フェアトレードの原則に基づき、原料の調達経路を追跡できるチョコレートバー5,000本を限定生産するところから始まりました。現在では、世界でも急成長しているチョコレートブランドのひとつとなっています。
同社の成長を支えているのが、小売パートナーのネットワークです。B2B顧客はオンラインの「ChocoPortal」を通じて、購入数量などに応じた段階的な価格設定や柔軟な価格オプション、数量割引を利用できます。
D2CストアとB2Bポータルが同じECプラットフォーム上で在庫、注文、顧客データを共有しているため、Tony’s Chocolonelyは複数の主要市場で二桁成長を実現しました。ブランドの遊び心を生かした顧客体験と、実用的なB2B機能を両立している事例です。
18. DECKED:販売店検索でパートナーを支援するB2B戦略
DECKEDは、ピックアップトラックの荷台用収納システムやツール、アクセサリーを販売するブランドです。同社はB2B販売だけでなく、小売パートナーのネットワークを活用してD2C販売も強化しています。
同社の商品は車種によって適合する製品が異なるため、購入前の検索や比較が複雑になりがちです。また、取り付けサービスを希望する顧客も多いため、オンライン販売だけでなく、地域の専門販売店へ案内することが効果的です。
DECKEDは独自の販売店検索アプリを活用し、単に最寄りの店舗を表示するだけでなく、商品の展示有無や取扱商品に応じて、適切な販売店を紹介しています。EC担当VPのTaylor Straley氏は、「販売店までの距離や所在地だけでなく、当社の商品が展示されているか、特定の商品を取り扱っているかに基づいて、顧客に適した販売店を案内できます」と説明しています。
自社ECサイトへの集客を通じて販売パートナーを支援しながら、顧客にはニーズに合った購入先を案内する仕組みです。B2BとD2Cを切り離さず、双方の成長につなげている事例です。
成功事例を参考に、B2B ECサイトを改善
ここまで紹介した事例からわかるように、B2Bビジネスでも、顧客を第一に考えた購買体験を提供することが重要です。B2B ECサイトは、単に商品を注文する場所ではなく、顧客がスムーズに取引を進められる環境を提供する役割も担っています。
成功している企業は、D2CとB2Bの両方で、顧客のニーズに合わせた購買体験を提供しています。どちらか一方を犠牲にする必要はありません。
適切なECプラットフォームを活用すれば、販売店や卸売業者、中小企業など、さまざまな法人顧客に合わせて、価格や支払い条件、注文数量のルールを設定できます。これにより、顧客が利用しやすいB2B ECサイトを構築できます。
ShopifyのB2B機能を活用すれば、注文や再注文のプロセスを効率化し、手作業による業務負担を減らすことができます。今回紹介した事例のように、B2B業務の効率化と顧客体験の向上を両立できます。
今回紹介した成功事例を参考に、自社のB2B ECサイトの改善に取り組んでみましょう。ShopifyのB2B機能や活用方法も、ぜひご確認ください。
B2B ECサイトに関するよくある質問
B2Bビジネスにはどのような例がありますか?
B2Bとは、ある企業が他の企業に対して製品やサービスを販売することです。たとえば、製造業者が卸売業者に販売したり、卸売業者が小売業者に販売したりする場合がこれにあたります。ヘアケア製品のサプライヤーが美容室や美容師に販売する、フィットネス機器メーカーがジムやパーソナルトレーナーに販売する、といったケースもB2Bです。
B2B ECの例にはどのようなものがありますか?
Dermalogica ProはB2B ECの代表的な例です。スキンケアの専門家向けに、ログイン制の顧客ポータルを用意し、卸売価格、商品カタログ、研修・学習用のコンテンツを提供しています。Mokobaraのように、卸売バイヤー向けに購入数量に応じた価格設定や再注文機能を提供するブランドもあります。
ShopifyはB2B向けですか、B2C向けですか?
Shopifyは、B2BとB2Cの両方に対応するコマースプラットフォームです。法人顧客向けのB2B販売と、一般消費者向けのD2C販売を、同じプラットフォーム上で運用できます。
B2B ECサイトとは何ですか?
B2B ECサイトは、企業が他の企業に製品やサービスを販売するためのECサイトです。通常、卸売価格、大量注文機能、法人顧客専用のアカウント機能などを備えています。また、商品情報、導入事例、学習用コンテンツなどを通じて、B2Bの営業活動を支援する役割も担います。
B2B ECサイトにはどのような機能がありますか?
B2B ECサイトには、以下のような機能が備わっています。
- 条件を絞り込める商品検索機能
- 発注書による注文など、多様な注文・支払い方法
- チュートリアル、動画、ウェビナー、ブログ記事などをまとめた学習コンテンツ
- 顧客や購入数量に応じた価格設定
- 卸売業者・販売代理店向けの専用ポータル
- 大量注文機能
- 顧客ごとの価格表、数量ルール、支払い条件
- 注文履歴から簡単に再注文できる機能
セルフサービス型B2B ECのメリットと課題は何ですか?
セルフサービス型B2B ECの主なメリットは、法人顧客が営業担当者を介さずに、注文や注文内容の管理、再注文を行えることです。たとえば、Mokobaraの卸売ポータルでは、購入数量に応じた価格設定や、顧客自身による注文・再注文、商品のカスタマイズに対応しています。Angelus Directも、手書きのメモやFAX、メールを使った受注業務をB2Bポータルに移行し、ミスの削減と生産計画の改善を実現しました。
導入にあたっての課題には、データの一元管理があります。在庫、価格、注文履歴、顧客情報が別々に管理されていると、顧客が必要な情報を確認したり、スムーズに注文したりすることが難しくなります。また、商品数が多い場合は、充実した検索・絞り込み機能がないと、購入者が目的の商品を見つけにくくなります。
優れたB2B ECサイトに共通する機能は何ですか?
顧客や購入数量に応じた価格設定、顧客自身による注文・再注文、高度な検索・絞り込み機能、卸売業者や販売代理店向けの専用ポータル、柔軟な支払い・配送条件、近隣の取扱店舗や商品の展示状況を確認できる販売店検索機能などです。重要なのは、単に機能を増やすことではなく、B2B顧客が迷わず、迅速かつ正確に注文できる環境を整えることです。
日本市場での注意点
この記事で紹介されているShopifyの主要機能について、日本での提供状況は以下のとおりです。
✅ 日本で利用可能な機能
- B2B on Shopify:卸売・B2B取引に対応するShopifyの標準搭載機能。利用できる機能はプランによって異なります。
- Shopifyペイメント:日本で利用できるShopifyのオンライン決済サービス。クレジットカード決済などに対応しています。
- Shop Pay:購入者が配送先や決済情報を保存し、次回以降の購入手続きをスムーズに進められる機能。ただし、Shopify B2Bの注文には対応していません。




