ECサイトの集客にGoogle広告などの有料広告を活用する際は、商品を購入する可能性の高いユーザーに広告を届けることが重要です。しかし、自社で蓄積した顧客データだけでは、新しい見込み顧客を十分に見つけられないこともあります。
Shopify Audiences(ショッピファイオーディエンス)をGoogle広告と連携すると、Shopifyのデータをもとに生成されたオーディエンスをGoogle広告にエクスポートし、新規顧客の獲得や既存顧客への広告配信に活用できます。オーディエンスは自動で更新されるため、リスト管理の手間を減らせる点も特長です。
この記事では、Shopify AudiencesとGoogle広告の連携によって実現できることやメリット、連携方法、Google広告での具体的な活用方法を解説します。

Shopify Audiencesとは
Shopify Audiencesは、Shopifyのデータを活用して、商品を購入する可能性の高い顧客層を特定し、Web広告の各プラットフォームに適したオーディエンスリストを作成するShopify Plus向けの機能です。生成されたオーディエンスリストはGoogleやMetaなどの広告プラットフォームにエクスポートされ、新規顧客と既存顧客の両方のターゲティングに利用できます。
Shopify Audiencesを利用できるのは、アメリカ合衆国またはカナダを拠点とし、Shopifyペイメントを利用しているShopify Plusストアです。また、Shopify Network Intelligenceを有効にする必要があります。2026年10月現在、日本を拠点とするストアでは利用できません。

Shopify AudiencesとGoogle広告を連携するとできること
Googleの複数の広告枠でShopifyのデータを活用できる
Shopify AudiencesからGoogleにエクスポートしたオーディエンスは、Google検索、Googleショッピング、YouTube、Gmailをはじめ、Googleディスプレイネットワークに含まれる提携ウェブサイトやアプリなど、幅広い広告配信先に活用できます。
Google広告向けの2種類のオーディエンスを利用できる
「プロスペクティングシード(Prospecting Seed)」と「既存のお客様(Existing Customers)」という2種類のGoogle広告向けオーディエンスを利用できます。
「プロスペクティングシード」は、新規顧客の獲得に活用するためのオーディエンスです。自社の商品や関連商品を購入した顧客に類似するユーザーが含まれ、新たな見込み顧客を探すために利用できます。
「既存のお客様」は、アメリカ合衆国とカナダにいるストアの既存顧客をまとめたリストです。新規顧客の獲得を目的とするキャンペーンから除外したり、既存顧客へのリマーケティングに利用したりできます。
オーディエンスを自動で更新できる
Google広告アカウントを接続すると、Shopify Audiencesで生成されたオーディエンスは、接続したアカウントへ自動でエクスポートされます。そのため、顧客リストを作成してGoogle広告へ手動でアップロードする必要がありません。
エクスポートされたオーディエンスは通常、Shopify Audiencesを設定してGoogle広告に接続してから24時間以内に利用できるようになります。
また、「プロスペクティングシード」には新しい見込み顧客が1〜7日ごとに追加され、Google広告上でも自動で更新されます。

Shopify AudiencesとGoogle広告を連携するメリット
購入につながる可能性の高い新規顧客を見つけやすくなる
Shopify Audiencesでは、自社ストアの情報だけでなく、他の参加ストアから提供されたデータやストアの特徴を活用して、商品を購入する可能性の高いユーザーのオーディエンスを生成します。
GoogleのAIに見込み顧客の特徴を伝える手がかりが増えるため、自社の顧客データだけでは見つけにくい新規顧客へのアプローチにも役立ちます。
オーディエンス管理の負担が少ない
Shopify Audiencesで生成したオーディエンスは、Google広告に自動でエクスポートされ、継続的に更新されます。そのため、顧客データを抽出してリストを作成したり、最新の内容に更新して繰り返しアップロードしたりする手間がなく、広告運用における負担が抑えられます。

Shopify AudiencesとGoogle広告を連携する方法
1. Shopify Audiencesを開く
Shopify管理画面から、[アプリ] > [Audiences] の順に進みます。
Shopify Audiencesを利用するには、Shopify Network Intelligenceを有効にし、Shopify Audiencesの利用規約への同意やデータ共有の設定を済ませておく必要があります。
2. Google向けのオーディエンス生成を開始する
Shopify Audiencesの画面で [Google] タブを選択し、[オーディエンスを生成] をクリックします。
続いて [接続] をクリックすると、Googleアカウントへのログイン画面が表示されます。
3. Google広告アカウントを接続する
Googleアカウントにログインし、オーディエンスをエクスポートするGoogle広告アカウントを選択します。
複数のGoogle広告アカウントを管理している場合は、Shopify Audiencesを利用するストアの広告キャンペーンを運用しているアカウントを選びましょう。
4. Googleのカスタマーマッチポリシーに同意する
Google広告アカウントを選択したら、 [規約に同意] をクリックし、Googleのカスタマーマッチポリシーに同意します。
カスタマーマッチは、顧客データをGoogle広告のターゲティングなどに活用するための仕組みです。Shopify AudiencesからGoogleへオーディエンスをエクスポートする際にも、このポリシーへの同意が必要になります。
5. オーディエンスをエクスポートする
[オーディエンスをエクスポート] をクリックすると、Shopify Audiencesで生成されたGoogle向けのオーディエンスが、接続したGoogle広告アカウントにエクスポートされます。
生成されたオーディエンスは通常、Shopify Audiencesを設定して広告プラットフォームに接続してから24時間以内に利用できるようになります。
エクスポート後はGoogle広告に移動しキャンペーンの目的に合わせてオーディエンスを設定します。

Google広告でShopify Audiencesを活用する方法
プロスペクティングシードで新規顧客を探す
新規顧客へのアプローチには、「プロスペクティングシード」をP-MAXキャンペーンのオーディエンスシグナルとして活用します。P-MAXは、Google検索、YouTube、ディスプレイ、ショッピングなど、Googleの複数の広告枠に横断して広告を配信できるキャンペーンタイプのことであり、オーディエンスシグナルとは、GoogleのAIに「どのようなユーザーを探すか」を伝えるための情報です。
P-MAXのアセットグループでオーディエンスシグナルを設定し、Shopify Audiencesからエクスポートした「プロスペクティングシード」を追加すると、GoogleのAIはこの情報を参考に、商品を購入する可能性の高いユーザーを探して広告を配信します。
このとき、「プロスペクティングシード」に含まれるユーザーだけが広告の配信対象になるわけではありません。Googleがコンバージョンにつながる可能性が高いと判断した場合は、シグナルに含まれていないユーザーにも広告が配信されます。
既存顧客に再アプローチする
「既存のお客様」のリストは、既存顧客へのリマーケティングに利用できます。
たとえば、過去に自社のECストアで商品を購入した顧客を広告の配信対象に設定し、新商品や関連商品を案内したり、再購入を促したりできます。すでに自社の商品やブランドを知っている顧客との接点を再びつくりたいときに活用できます。
既存顧客リストを使って新規顧客を優先する
新規顧客の獲得を重視する場合は、「既存のお客様」のリストを使って、新規顧客と既存顧客を区別できます。
Google広告の新規顧客獲得目標を活用すると、運用方針に応じた柔軟なターゲティングが可能です。既存顧客への広告配信を続けながら新規顧客の獲得も強化したい場合は「新規顧客の価値」モード、新規顧客の獲得に広告予算を集中したい場合は「新規顧客のみ」モードというように、キャンペーンの目的に合わせて使い分けます。
まとめ
Shopify AudiencesとGoogle広告を連携すると、Shopifyのデータを活用して生成されたオーディエンスをGoogle広告にエクスポートできます。「プロスペクティングシード」を使った新規顧客へのアプローチや、「既存のお客様」のリストを活用したリマーケティングなど、広告の目的に合わせた運用が可能です。
また、オーディエンスはGoogle広告へ自動でエクスポートされるため、手動によるリスト管理の手間を減らせる点も特長です。
Shopify Audiencesは、2026年10月現在、アメリカ合衆国またはカナダを拠点とする対象のShopify Plusストアで利用できます。利用条件を満たしている場合は、Google広告との連携を活用して、新規顧客の獲得や既存顧客への再アプローチにつなげましょう。
Shopify AudiencesとGoogle広告に関するよくある質問
Shopify Audiencesは日本でも利用できる?
Shopify Audiencesは2026年10月現在、日本を拠点とするストアでは利用できません。アメリカ合衆国またはカナダを拠点とし、Shopifyペイメントを利用している対象のShopify Plusストアで利用できます。また、Shopify Network Intelligenceを有効にする必要があります。
Shopify AudiencesとGoogle広告を連携するのに必要なものは?
Shopify Audiencesを利用できるShopify Plusストアと、Google広告アカウントが必要です。連携する際は、Google広告アカウントの管理者権限を持つGoogleアカウントでログインし、Googleのカスタマーマッチポリシーに同意します。
Shopify Audiencesの利用に追加料金はかかる?
Shopify Audiencesは、利用条件を満たすShopify Plusストアであれば、追加料金なしでインストールして利用できます。Shopify Audiences自体に別途サブスクリプション料金はかかりません。
ただし、Google広告などで広告キャンペーンを配信する際の広告費は、各広告プラットフォームに支払う必要があります。
Shopify Audiencesで顧客データはどのように保護される?
Shopify Audiencesで使用される顧客データは、メールアドレスなどをそのまま送信せず、元の情報を直接読み取れない形式に変換する「ハッシュ化」を行ったうえで広告プラットフォームに送信されます。
Shopify Audiencesを利用するストアが、別のストアの顧客データにアクセスしたり、別のストアの顧客ベース全体からオーディエンスを生成したりすることはできません。




